さくらもちモチ

感想：大河ドラマ「天地人」第11回 御館の乱 *ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHKの大河ドラマ・天地人
第11回「御館の乱」の感想です。ネタバレを含みます。


前回の第10回「二人の養子」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-08-4
前々回の第９回「謙信死す」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-01-1

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4


────

とうとう、景勝と景虎の義兄弟の跡目争いが
戦（いくさ）になりました。
今回の放送の後半で、信長が、
“謙信は地獄を残した”云々と言ってましたが、
本当に実際はそうだったんでしょうね。
景勝と景虎は勿論、一般の兵も
顔見知りなのに敵味方に分かれてしまった場合が多いでしょうし。
この放送では肝心の戦のシーンがとても少ないので
そうした事は想像で補うしかないのですが
痛ましいことです。


代わりに、多くの時間が割かれているのが
主要キャラクターの心情です。
初回から思ってましたが、
私は原作を読んでないので知らないのですが
やはり、大河ドラマとして放送するには話が短いのでしょうか。
登場人物の心の動きに尺を取って頂けるのは
その人となりを知るのに一番良いので
分かりやすいですし有難いのですが、
ドラマとして見ると、起伏がなくて面白味にかける気がします。
30分のドラマを、無理に45分に延ばしている印象が
ずっと拭えません。

そして、これもここ数回の感想で書いてますが
どうしても兼続に義を感じられません……。
兼続がお万の嘘を認め、結果的にそれを利用して
景勝に跡目を取らせようとする様を見せられたのが
私にとって自覚していた以上に重かったみたいです。
彼が強い口調で（しかも、これが正しいと言う口調で）景勝を推す度に
白けてしまいます。
特に、冒頭の、仙桃院の元で景虎と対峙するシーン。
景勝は関係ないと庇った上で、
景虎に頭を下げてくれと言ったところでは、
景虎自身も言ってましたが
私も「まだ頭を下げさせるの？」と思ってしまいました。
また、景勝を兼続が庇い、その兼続を庇って仙桃院が庇い、
それぞれが命を投げ出そうとする場面では、
大変失礼ですが、茶番劇にしか見えませんでした。
そして、仙桃院の元から戻ってきたばかりの兼続が、
景虎を説得できなかった不備を報告した後、
悪い方に進んでしまう事態に焦りを感じた上で、
再び仙桃院に頼ろうとするくだりでは、笑ってしまいました。
兼続の未熟さ、青さを描かれたのかもしれませんが
これはあまりにも愚か過ぎます。
兼続が表面的なことしか見ていないと視聴者に受け取られても
仕方がないかもしれません。
（もしかしたら、そういう狙いがあるのかもしれません）



良かったのは、華姫の一途さです。
私、相武紗季さんにはあまり興味がないのですが
何度も何度も景虎に縋るいじらしさは素敵でした。
あんなふうに言われ、慕われたら、
心が凍ってしまった景虎だって折れてしまうと思いました。

また、「信じた者に裏切られるのは嫌だ」と言った景虎を
傍で見守る仙桃院が、実は最大の裏切り者なのが
見ていて辛いです。
仙桃院は景虎の為に一緒にいると言っていますが
（仙桃院まで景勝の元に行ってしまったら
それこそもう上杉は破綻する）
彼女の罪悪感から来る罪滅ぼしなのかもしれないなと思いました。

そうそう、
飛んだ鳥に驚いた景虎側の兵士の一人が発砲→緊張状態に→
空から雨が降ってきて景虎側が不利になる→それでも挙兵
……の流れは、凄く良かったです。
このシーンの前に、
景虎が亡き謙信に向かって「自分が正しければ戦で勝てる」云々言ったのと、
史実では景虎が負けてしまう結果を受けて、
皮肉だなぁと思いながら見ていました。
こういう暗喩は大好きです。

好きと言えば、お船が兼続の元を訪ねて
二人して「鬼」「夜叉」と決意を固めるシーン。
この↑シーンそのものは、今回の目玉なんでしょうが
正直、感動も何もありませんでした。
私がいいなと思ったのは、その直後です。
兼続とお船を気にしているらしい直江信綱に向かって、
お船の侍女のかよが機転を利かせる場面です。
かよは二人に対する悪態を信綱に向かって吐き、
彼から同意を得る事で見事に彼を追い払ってますが、
（二人に対する悪口を先に言う事で、信綱を抑えている）
そのかよが「してやったり」な顔でほくそ笑みながら去っていった後で
実は信綱の不信感はそれぐらいでは解消されてないのだとの事が
しっかりと描かれているのが面白かったです。



────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第12回「命がけの使者」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-28-3

宜しければ、合わせてどうぞ。

コメントを書く

コメント投稿に失敗しました。

未入力の項目があります。

認証コードが一致しませんでした。

半角英数字のみのコメントは受け付けできません。

お名前：[必須]
URL：
コメント：

画像認証：	下の画像に表示されている文字を入力してください。