さくらもちモチ

感想：大河ドラマ「天地人」第八回謙信の遺言 *ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHKの大河ドラマ・天地人
第８回「謙信の遺言」の感想です。ネタバレを含みます。



前回の第７回「母の願い」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-15-1
前々回の第６回「いざ、出陣」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-14




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遺言……謙信の遺言……！
タイトルだけで、今回の主軸のネタバレですね。
謙信が死なないと、そして御館の乱が起きないと
景勝の時代にならないので当然ですが、
もう謙信が亡くなってしまうのかと思うと残念でした。

──と思ってたのに、まだ死んでなかったというオチでした。
死ぬ死ぬ詐欺……とは思わなかったですが
重要なキャラの死で視聴者の関心を引くやり方が見えてしまって
あまりよい気分ではなかったです。
最近流行の「最終章」詐欺に遭った時と同じ気分です。
（最終回ではなく、残り２〜３回になったところで
「最終章突入」と銘打って、煽る）



兼続と初音のやり取りは、またもや顔のアップ連用で
見ていて疲れました。
きっと今後もこの演出が定番になるんでしょうが
多分、最終回まで文句を言っていると思います。
好きになれません。
顔をアップで映し出せる（視聴者に見せられる）のは
テレビならではの手法ですが
こう度々、しかも長々と見せられると、
はっきり言って飽きます。
下品で野暮ったい演出だなぁとも思います。



戻ってきた兼続と対面して景勝が笑い、
それを他の従者達が喜ぶ様は、
見ていて胸がほっこりしました。
皆がどれだけ兼続を心配していたか、
そして、景勝を主として慕っていたかが
よく分かるシーンだと思えました。
ここは良かったなぁ。
与七も初々しくて
（いくら緊張していたとはいえ、口上も満足に述べられないのは
あの時代の男としてかなりなさけないですが）
好感を持ちました。



お船の信綱と兼続の初対面は
随分と呆気なかったです。
ここは、兼続がもっと複雑そうな顔をするのかと思ってたのですが
蟄居を解かれた喜び＆皆に待たれていた事への実感を噛み締める事で
胸がいっぱいだったからかな。
とはいえ、支度を手伝いにいったお船を気にした兼続と、
廊下に出て後ろ（兼続）を気にする素振りを見せたお船には
未練が滲み出ていましたね。
紅葉を散らして回想をやるのは
しつこかったですが、
それだけ情が残っていると思えば許容範囲かなと思いました。



欲で信長を討つのではなく、
信長によって歪められてしまったこの世を正しく戻す為
──と謙信に言わせて、
あくまで“義”を主として戦を行なっている事を、前面に出しています。
この思いが、今後の兼続に受け継がれていく事で
（自分の為でなく、人の為に戦う）
結果的に“謙信の遺言”になるわけですね。
「人が人であることの美しさ」という台詞は良かったなぁ。
人を殺める事に対して、迷いを捨てられない兼続を
「それで良い」と言って認める謙信。
謙信が語る義と、これから兼続が見つけられるかもしれない義は
全く同じではないでしょうが
兼続が悩み抜いて見つけ出した義なら、
謙信は今と同じように「それで良い」と言いそうな気がしました。

兼続には実父がいるけれど、
謙信は、兼続の武士としての父というか
心の師とはまた違った、情のある深い繋がりがあるのが見えて、
素敵だなと思いました。
だからこそ、次回は本当にやってくるらしい謙信の死が
とても悲しいです。



ここまで見てきて思ったのですが、
序盤と言えるこれまでの回は
少ないネタ（エピソード）で無理に一話分を作ろうとしているからか
全体的にだらだらとしているなぁと思えてならないです。
数少ない戦のシーンでは緊張感がなく、
今は主となっている兼続の日常生活ではメリハリに欠けていて、
一週ぐらい見逃しても楽に見続けられるような
──逆に、まぁいいやと思って見逃しているうちに
いつの間にか本当に視聴を止めてしまうような緩さまで
感じています。

謙信が亡くなる事で、お家騒動が勃発するので、
これからは俄然面白くなる……いえ、なってほしいです。
今はつまらないけれど、このドラマは大河だから、
絶対これから面白くなるだろうと期待して見ているので、
そこが大コケすると、たまらないです。



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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第９回「謙信死す」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-01-1

宜しければ、合わせてどうぞ。

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