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感想@漫画「ぼくらの」月刊IKKI2009年1月号*ネタバレあり [ぼくらの:感想]

鬼頭莫宏先生の連載漫画「ぼくらの」月刊IKKI2009年1月号感想です。

ネタバレを含みます。
単行本派の方、本誌をこれから読まれる方はご遠慮下さい。

前回(2008年12月号)の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-10-26-1



────

前回の終わり方がああだったので、
今月号が辛い内容になることに、覚悟はしていました。



……が、やっぱりそれを実際に漫画で見ると辛いです。
最後にちょっとだけ救われましたが
あのマチはもう、
私が単行本の1巻から追いかけてきたマチじゃないんだと思うと
せつなくてせつなくて、たまりませんでした。



撃ったオッサン(笑)の足が下から消失してるコマを見た時、
私は、彼が敵の地球の人かと誤解したんです。
“ぬいぐるみ”はまだ現れてないけれど
何かイレギュラーなことが突発的に起こって、
こちらの地球に単身で来られるようになった彼が、
“ぬいぐるみ”同士の戦闘が始まる前に先手を打とうとして
こちら側のパイロットであるマチを殺したのかと
思ってしまいました。

なので、病院でのササミンの説明を読んでからは
自分の馬鹿さ加減に嫌になり、また、
他の地球の人なのにこの地球の為に戦ってくれる決意を固めていたマチが、
この地球の殺し屋によって撃たれたのかと思うと
とてもやり切れなくなりました。
惨過ぎます。
マチが可哀想過ぎる。

あのオッサン自身は、まず間違いなく誰かに雇われた人ですよね。
もしかしたら、彼自身や、仲間とか大事な人が
戦闘で被災した可能性もありますが、
とても低いと思います。
マチを殺したかったのは、あのオッサンを雇った人間のはずです。
それがどういう理由でなのか
──パイロットへの恨みなのか、単にパイロットが邪魔だったのか、
他に理由があったのか──は分かりませんが、
当人は手を汚さず、金だけ払って済ませるっていうのがもう。
こういう事は、
この「ぼくらの」の作品中だけでなく、
私が生きているこの世界でも、よくある事なんでしょうが、
なんだかなぁと、複雑な心境になっています。
恨みを晴らすとか復讐を果たすことが良いとは思ってませんし、
そもそも誰かが他人を殺すこと自体、過ちですが
そういう感情すらない人間が人を殺すのって
更に間違ってる事だと思います。
人としてあってはならないことです。



ウシロが生きていたのは不幸中の幸いだけれど、
マチの件があるので、少しも喜べません。
ホッとすることもありませんでした。
ウシロが繰り上がることで、
今度は新たなパイロットを選出しなければならず、
それは──もしかしたら、コエムシ自身かもしれませんが、
そうなると、マチの死は
コエムシに決意させる為のただの前振りになってしまいそうで、
悲しいです。

今月号で、コエムシは物凄く変化しています。
マチをパイロットから“外す”ことをしたのもそうですが、
その後の、ウシロとの会話において
びっくりするぐらい、彼は変わったのを露にしています。
あれだけ偏屈で性格が歪んでいたコエムシが変われるのは、
それこそ、唯一大事にしてきた妹の死が
きっかけにでもならないと無理だったいうのには、
物凄く納得できるのですが、
だからこそ、コエムシには別件で変わってほしかったなと
思ってしまいます。
マチに、変わったコエムシを見てもらって、
「どうしたの、お兄ちゃん」とか
「今のお兄ちゃん、好きだな」とか言ってほしかったです。

そう、コエムシが以前のままで、
撃たれたのがマチでなかったら
病室であんなふうにパイロットが寝ていても、
コエムシは何とも思わず、痛くも痒くもなく、
傍で付き添っているササミンや他のパイロット達に
「地球の為にコイツを殺す選択もできる」と
嫌味ったらしく笑いながら提案したはずです。
そういう可能性もあったコエムシが、今回、
自分の手で、大事な妹を“パイロットから外す”
……それはコエムシが、
マチの決意(この地球の為に戦って死ぬ)が本物であると
ちゃんと認めているからですよね。
だからこそ、コエムシは彼女の遺志を汲む為に、
あの辛い決断を下したんだと思います。
コエムシは、本当に本当に、マチが大事だったんだなぁ。
妹のマチにとってコエムシは、
決して良い“お兄ちゃん”でなかったかもしれないけれど、
この行動は、まさに“兄”がすることだと感じました。



あぁ……感想をまとめてるだけで泣けてきます。



最後に出てきたマチは、
他の地球のマチがこの地球に来たことで
(同じ人間が同じ地球上に二人も居られないことから)
ずっと姿が消えていた、本来のマチですよね。
そのマチが夏服(彼女自身の認識も、今が夏)でいるということは、
本当に、あの合宿において初めて
私が知ってるマチは皆の前に姿を表わしたんですね。
本来のマチの台詞を見て、
「あぁ、物語の最初は夏休みだったなぁ」と思い出し、
感慨深くなってしまいました。
皆、生きて、死んでいきましたね……。



来月からは、いよいよウシロ戦が始まると思います。
コエムシが、ウシロは引き継ぎに向いてないと言っていたのが
印象的でした。
この「ぼくらの」は、誰が主人公だと明確に記されてはいませんが、
パイロットを務める子供達の中でも
特にウシロがメインに描かれているのは明らかです。
なので、主人公ではないけれど中心人物だった彼が
最後の幕を引くのは、至極当然のことだと思っていました。
でも、違う──最後のパイロットはまだ確定してませんが、
もしも、もしも、コエムシが人としてそれを務めるなら、
この物語はやっぱり皆が平等に主人公を務めていて
最終的には、まさに“ぼくらの話”になるんだと思いました。




ちょっと……今月号も号泣してしまって
特にコエムシが「オレが殺す」って言った
見開きのページを見た途端、
手が震えてしまって、
それ以上見ていられなくて、IKKIを閉じて
──動揺が収まってきてから
とりあえず最後まで読んで、
こうして初読の感想をまとめてみました。


悲しいお話です。
辛いのに面白いってところも、残酷です。





────
感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2009年2月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-12-25

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-11-25 13:36  nice!(0)  コメント(2) 
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コメント 2

仮帯

どうもこんばんは

ただ悲劇に終わらせるではなく
この地球のマチがいることで
語弊はありますが、何だか前向きな意味での戦う理由が
改めてウシロにできたと信じたいです

漢字変換していて今更ながらマチ=町(街)
身近で容易く喪失してしまうけど守らなきゃいけないものの象徴なのかもと思い至りました

この世界にも、マチの兄はいるんでしょうかね?
最後のパイロットが気になるところです
何だかチズにひどいことをしておきながらのうのうと生きていそうなあの“元”先生が新たな契約者になるのではって私は思ってます
強制的に、彼が馬鹿にしていた子供たちがどれだけの貢献を地球にして来たのか思い知らせる為には、それしかないように思うのですが
強引過ぎますかね
by 仮帯 (2008-11-29 02:58) 

さくら

>仮帯さま

こちらにもコメントありがとうございます!

次のパイロット予想として挙げて下さったのは
政治家を目指しているという“彼”ですよね(笑)。
個人的には、チズの一件がどうしても許せないので、
彼に地球を救ってもらう展開は嫌なんですが、
世間の為を思うと、“彼”には早々に消えてもらった方がいい&
元先生だから引き継ぎ戦にぴったり……ではあるんですよね。
ご予想に、なるほどーと思いました。
私自身は、彼を候補としては全く考えてなかったので
興味深かったです。
お考えをお寄せ下さり、ありがとうございます!

でも、最後の最後、“彼”の戦いで締めるのは
“ぼくらの”話の終わり方としては、やっぱり嫌です(笑)。
他の誰でもなく、ウシロが良かったなーというのが
本音です。

とはいえ、代わりになるような人が他にいないんですよね。
ううん……それでも、鬼頭先生のことですから、
きっと私たち読者が納得できるパイロットで終えてくれると
思っています。

>マチの兄
コエムシがこの地球からいなくなったら、
新しいマチのように
昔からいたような顔で、自然に戻ってくるんでしょうかね。
コエムシとマチの兄妹がお互いに相手を大事にしていたように、
この世界のマチとお兄さんも
そうであってほしいなと願っています。
by さくら (2008-11-29 18:15) 

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