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感想@鬼頭莫宏「ぼくらの」第8巻*ネタバレあり [ぼくらの:感想]

小学館から単行本が出ている漫画「ぼくらの」8巻の感想です。
作者は鬼頭莫宏氏、連載雑誌は月刊「IKKI」です。

全体と第1巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24
第2巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-1
第3巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-2
第4巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25
第5巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-1
第6巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-2
第7巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-3

以下ネタバレがあります。
この巻より先の、単行本未収録分に当たるものも含んでますので
ご注意下さい。



現在(2008年2月下旬)における最新刊です。
そういえば今日は25日なのでIKKI最新号の発売日でもあります。
き、気になります。先が!!

まず表紙について。
私が「ぼくらの」にハマったのは今月始めなので、
まさにこの最新刊8巻が発売された時期と被っていたせいか
内容を知らなくても、表紙をよく目にしてました。
で、オレンジのダウンベストという服装が
パトレイバーに思えちゃって、
「後藤さんのコスプレ?」と思ったこともあります。
すみません……。

では中身に。
アンコの足の負傷が公になったことで
テレビ越しにそれを見た人々がアンコの応援を始めるのには
感動しました。
ネットとかもかなり現状と同じようなので、
たとえば2ちゃんねる系の大型掲示板では
とんでもないことになっているのではないかと思います。
この非常時でも「ジアースたんハァハァ」とか言ってる気がします。
アンコが、痛みをあまり感じてないらしいのだけが救いです。
P12で、「アイドルみたいだね。アイドルみたい?」って
父親に聞き直しているのとか、もう泣けてきます。

そして、アイドルになるために真似をしていた練習が
見事に生かされる戦闘には、凄いと感心しました。
空中に放ったマイクを持つ要領で敵に反撃したのは
さすがとしか言えませんでした。

敵を倒した後のアンコが
テレビに向かってメッセージを発するところを読んだのは
確か地下鉄の日比谷線に乗ってたのですが(笑)
大泣きでした。
花粉症が酷いのでマスクをしてたんですけど、
頬に当たるマスクの上部が涙を吸っちゃって重かったです(笑)。
「ぼくらの」は本当に、外では読めない漫画です。

ジアースを許せない人は多いけれど、それでも、
彼女が真摯に謝った気持ちは、皆に伝わっていると思います。
公表はされませんでしたが、
アンコが、自分が死ぬと分かっていながら乗ったことを知ったら
もっと凄かったでしょうね。
いや、偽善だって変に悪く言う人も出てきちゃうのかな。

その後、無事に残った地球の街や、
アンコがお父さんをよく見ていた液晶テレビ、
コックピットにもあった椅子、
そしてアイドルの練習に使ったマイク……と
背景だけで語られるのが、胸にきました。
P38の2コマ目で「だって」は、普通の吹き出しになんですよね。
(その後はモノローグですが、ここは違う)
父親を見て娘は育ったんだって、分かって、
ここも泣きました。はー……。

こんなことで世界で一番有名になれたのは皮肉ですよ。
できれば、アイドルとして有名になってほしかった。


次はカンジ(吉川寛治)編。
P46の、がらんとしたコックピットの絵
(椅子が並んでいるだけ)の図は
見ていてちょっと怖くなりました。
皆、死んじゃったんだなーって。

そして、関さんが田中さんの昔の写真を持ってたのはまだ分かりますが、
それを貰うカンジって絶対変ですって(笑)。
マザコンが変な方向にいっちゃったのかな……。
そこまでいかなくとも、
年上の素敵な女性に対する憧れが強いのかな。
まぁ、田中さんがウシロの実の母親だと知っていたら
絶対に貰わなかったでしょうが。

そして、今回、ウシロ自身の口から
自分が未契約者だということが明かされます。
ここも、ネタバレで読まずにリアルタイムで読みたかった。あああ。
以前に、誰か未契約者がいるって最初に判明した際に関さんが
「誰か一人でも残るなら良かった」みたいな発言をしてましたが、
カンジもホッとしたんじゃないかと思います。
この時点では、カナちゃんが契約してたとは知らないはずですし、
兄妹二人が残るのなら良かったと、素直に思ったと思います。
……結果でいうと、友も妹も実の母親も契約したわけで
ウシロは最悪な状況にいるわけですが。

今回の敵は、ゴンタと一緒で急所丸見えなわけですが
つ……強いですよね。
田中さんの説明で、ホームとアウェイで戦闘方法を変えるらしいと分かって
ふえーと思いました。
最初のマーキングの件も、
この敵を倒す打開策に繋がっていて深かったです。
そう、カンジが死ぬことになって悲しい……のですが、
この巻ではもう一人の死を語らなければなりません。

関さん!!!!

もうショックでした。びっくりした。
wikiで分かってはいたものの、実際に読んだら衝撃でした。
田中さんと一緒に契約をしたことで、いつかは死ぬとは分かっていても
まさかこんな形で死を選ぶ羽目になるとは……!
一緒に散っていった、ジアースパイロット候補たちの人々も同様です。
至らない自分のせいで彼らを犠牲にする羽目になったカンジは
本当に辛かったと思います。
P167〜168で、手をすっと挙げた関さんに、本当、
呆然としました。
多分、私は、
P180最初のコマのカンジと同じ顔になってたと思います。

P195からは、東京駅に着いていて
(イベントで大阪に行く予定だったのですが
ようやく買い集めた単行本を読まずに旅行に出かけるのが嫌で、
重いけど持っていった/笑)
コンコースにあるエレベーターの側面で号泣しました。
その前に見ていたネットの感想で、
ここは泣くらしいと分かっていたのにです。

それまで、あの歌「Little Bird」はあまり好きではなかったのですが
ここを読んだ時から一変しました。
アニメのあのEDを見る度に、
単行本のこの関さんを思い出してしまいます。
「道しるべとなる枝をくわえて、その足下に落としてあげよう」
まさに歌詞の通り、レーザーをこれから放つカンジのために
自らマーカーとなって敵の前に立った関さん。
その報告を受けて、絶叫しながらレーザーを放つカンジ。
最後のP202の関さんの穏やかな顔は
逆に辛くて見られませんでした。
読んでて悲しくなって泣くことが多い「ぼくらの」ですが
この関さんの死は一際辛くて悲しかったです。
田中さんも、
その後の未掲載分では死ぬフラグがバンバン立ってますので
関さん以上に泣いてしまう気がします……。


そして、関さんの死に隠れがちですが
カンジは、実のお母さんが自殺した大型ビルで亡くなります。
あれだけ他のパイロットに無関心だったウシロも、
契約者じゃないのにこれまで付き合ってきたのは、
ワク(を殺してしまった)の一件だけでなく
カンジがいたからだと言ったことに、
彼にも優しいところがちゃんとあるんだと思いました。

あと、これも忘れがちですが、
日本がアメリカの要請で核を使うっていうのは、
仕方が無いとはいえ、そりゃないよなと思ってしまいました。


そして最終ページ。
「呼ばれた」と口にするカナちゃん。
そう、カナちゃんも実は契約していたと判明したところで終わりです。

今日発売の今月号(2008年4月号)からはいよいよ戦闘が始まると思いますが
(前回、カナちゃんが戦闘に向かうところで終わってる)
続きが楽しみです。
またいっぱい泣くんでしょうが……。

────
第8巻の感想は以上です。
ここまで読んで下さってありがとうございます。


2008-02-25 14:07  nice!(0)  コメント(0) 
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