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感想@鬼頭莫宏「ぼくらの」第7巻*ネタバレあり [ぼくらの:感想]

小学館から単行本が出ている漫画「ぼくらの」7巻の感想です。
作者は鬼頭莫宏氏、連載雑誌は月刊「IKKI」です。

全体と第1巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24
第2巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-1
第3巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-24-2
第4巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25
第5巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-1
第6巻の感想↓
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-2

以下、単行本8巻以降を含むネタバレがあります。



コモ編の最後です。
彼女の回はちょっと違っていて、
最終回の扉絵ではなく、第三回(6巻収録)の扉絵で、
父親と二人の絵が描かれています。
(他は、最終回を含めてコモ一人)
でも、二人の扉絵はあまり楽しそうじゃないんですよね。
前を歩くお父さんにコモがついていっているだけって感じで。

でも、コモの場合は、
最期を迎えた直後に父親に抱きかかえられているので
これが扉絵の代わりなのかなと思えました。
それぐらい、冷たくて淡泊とも取れた父親が
コモに対して非常に愛情深いところを見せてきます。
敵パイロットを撃ったあと、扉を開けてホールの中に入り、
微笑みながら倒れていくコモを見て叫ぶ彼の姿は
胸を打ちました。
あの声は、コモにもちゃんと聞こえていたし、
姿も見えていたと思います。

マキのお父さんは来なかった(来られなかった?)みたいで、
ホールの客席は軍関係者ばかりだそうですが
皆、コモの演奏に感動してたみたいですね。
そして、改めて、ルールが本当であると知って
ショックを受けたと思います。
コモによって地球が救われた点はまだ実感が湧かないかもしれないけれど、
少なくとも、パイロットは本当に死ぬんだっていう点は
強く理解されたはずです。

とにかく先を読みたかったので、流すようにパパッと読んでいたので
実は、P49のコモのお父さんの台詞の真意を
最初は読み取れませんでした。
「それは私の、仕事だ」という台詞です。
そう、敵を殺すということは、自分たちの地球が勝つということで、
すなわち、パイロットであるコモ死ぬってことなんですよね。
つまり、敵を殺すことで間接的にコモも殺してしまう。
勿論、敵を殺さなければ、双方の地球ごと消滅してしまうので、
コモも生きられないわけですが……
無情です。
まさに、父親はこの先、
敵を殺した(コモを死なせた)業と責任を
背負いながら生きていくんですね。


次はアンコ(往住愛子)編。
彼女も、コモのように父親との接し方を模索しています。
前々から出ていた“あの時”が
実はアイドルの真似だったとも判明します。かわいい。

アンコ編で大事なのは、
戦闘をコックピットの中と外からテレビで生中継させたことで、
地球の人々のジアースへの意識を変えさせたことだと思います。
それまでは、ジアースも敵も、
地球の人々によっては“街を破壊する得体のしれない怪物”だったわけで。
しかも、情報が規制されていたので
気付くこともできない状態で。

でも、この生中継でジアース(パイロット)が頑張って戦っているのを見て、
ようやく事の次第の一部分を知ることができて、
やっとテレビを見ながら「ジアースが負けたらどうなるの」と
尋ねるまでになった、と。
もう何人も死んでて、生き残ってるパイロットの方が少ないのに。

冬なので匂いは夏ほどではないとはいえ、
嫌いだと言っていた海に父を誘うアンコの気持ちが
痛々しいです。
でも本当に楽しかったんだろうなと思います。
こんなことになったから二人の間にあった隙間を埋められたいうのは
皮肉ですけど。

カタリ君(狩田淳二)は……
マスコミの被害者ですよね。
撃たれた時の得意げそうな様子からして
彼も喜んで協力してくれたようですが、ちょっとかわいそう。
でも、残されているアンコたちが無事で
ホッともしてしまいました。

そして今回は敵が強くて!
アンコの足が溶けたかもしれないシーン
(まず間違いなく足首から先は無くなってそうですが)は
ゾッとしました。
それを撮り続ける親も親ですが
究極の非常事態とも言えるこの場合は仕方ない……とも
思えました。
もっと、どうでもいい時だったら
父親もカメラを止めさせたと思います。

今まで、戦闘がメインに描かれることってあまりなかったので
アンコ編の戦闘は、結構真面目に読むと気分が疲れます。
こう、息を詰めて読んじゃうんで……。
先が分かってても、防戦一方のシーンでは辛くなります。

父親と一緒にテレビに出られる(夢が叶う)と
二度喜ぶアンコが
かわいくてたまりませんでした。
(一度目は、カタリ君のせいで未遂に終わりましたが)

最後に。
自然学校に行っていた子供たちが関わっていたと判明して、
マキを始めとする他の子たちの家族も、
「もしかして」って思ってるんでしょうか。
コモやアンコを責めるようなことはしないと願いたいです。
彼らは、コックピットからの戦闘を
一体どんな気持ちで見ているんでしょうか。

────

第7巻の感想は以上です。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
8巻の記事に続きます。
http://blog.so-net.ne.jp/himezakura/2008-02-25-4


2008-02-25 13:10  nice!(0)  コメント(0) 
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